2002年5月のおすすめ

今月はおまけから先に紹介します。
読みやすいようにスタイルを変えます。


 『文学界』 2002年5月号
            文芸春秋社 刊


 巻頭は、長嶋有『夜のあぐら』(芥川賞受賞第一作目)。
両親の離婚で別れて暮らす妹弟三人が、父親の死の前に集まる話。
玄侑宗久の中篇もあり。

 注目は、特集《現行の「国語」教科書をどう思うか?》です。
『全調査「国語教科書一覧」』が掲載され、識者にアンケートをとっている。

 国語教科書に掲載される作家の作品名一覧があり、高校編だと、オーソドックスな所で夏目漱石、森鴎外、宮沢賢治、川端康成、太宰治、島崎藤村、井伏鱒二、高村光太郎、柳田国男etc.、これらは定番中の定番であるが、見て、「へえー」と思った作家を挙げてみる。

 山田太一、向田邦子、山田詠美、筒井康隆、村上春樹、立花隆、江國香織、村田喜代子、俵万智、吉本ばなな、小松左京、白洲正子、伊藤比呂美、落合恵子、赤川次郎、河合隼雄、ブラッドベリ、辻仁成
等々。
どうですか、しいかはこれを見てびっくりしました。

 まだあります。
 これには異ジャンルも含まれている。
 山田かまち、夏目房之介、中村紘子、毛利衛、岡本太郎、神津カンナ、羽仁進、植村直巳、水木しげる、平塚らいてう、坂東玉三郎、中島みゆき、妹尾河童、チャップリン、手塚治 等々。

 山田かまちって、あの「かまち」?
天才的な絵の才能をもちながら、若くして亡くなった…高校生だったかな、エレキギターの練習中に感電死したのだったと思う。
うーん、若者にはインパクトあるかも。

 教科書会社は十数社あって、採択の傾向が相談したように似通っている。

 さて、中学校編。

 注目すべきは、高校編にはある、定番の漱石・鴎外の作品が中学校では(小学校も)消えてしまったと言う事。
この点についてどう考えるかが、ポイントになっている。

中学編で目についた作家は下記の通り。
 乙武洋匡、落合恵子、辻仁成、香山リカ、黒柳徹子、赤川次郎、三田誠広、中島みゆき、俵万智、椎名誠、川上弘美 等々。

 この他、『阿川弘之と齋藤孝の対談』、『小説は「国語」を救う』、『恋愛と論理なき国語教育』などが収録、今回の国語教科書について論じている。

 大体は、国語教育、読書教育の重要性を指摘する声が高い。

 小学校では、英語、パソコン、ゆとりの時間などを導入したけれど、果たしてそれが、国語教育以上に必要なのだろうか。


   ※ 森鴎外の「鴎」の字は間違いです。
      家のPCでは正しい漢字がエラーになって出てしまうので…ごめんなさい。


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